猫と一緒にイギリスへお引越し〜プロローグ〜
猫を連れてイギリスへお引越しした経験を、今後同じようにペットを連れて海外引越される方の参考になればと思いお伝えします。
駐在のため家族でイギリスへ引っ越すことになった我が家。最も悩んだことが、我が家の猫様をどのように運ぶかということでした。
預け荷物として運び、日本とイギリスそれぞれで検疫が必要になるくらいかな〜と当初考えていましたが甘かった。手荷物扱いで運ぶことが可能な国もあるようですが、2023年現在イギリスはそのような扱いが不可だったため、3つのオプションから最善策を検討することになりました。
イギリスに猫を運ぶオプション3つ
1. 直行便にてカーゴ扱いでイギリス入国
直行便の場合、自分と同じフライトもしくは別のフライトのカーゴとして猫を運ぶことができます。
直行のフライトで入国させる場合にも、費用面から手続きは全て自分で行おうと考えていました。ところが、ANAカーゴもJALカーゴも認可業者以外はそもそもカーゴの予約を受け付けていないようです。
そのため、直行便を選ぶと必ず業者を通して猫を輸送することとなるようです。
2. フランス経由 ユーロトンネルを通ってイギリス入国
EUはイギリスよりもペットの航空機での入国が容易なようです。そのため、日本からフランスまでは航空便で移動、猫は座席持ち込みor預け荷物として同じ便に搭乗ということが可能です。
フランスからはユーロトンネル経由でイギリスに入国することが可能なようです。
3. オランダ経由 フェリーに乗ってイギリス入国
フランスオプションと同様に、オランダまでは航空便で座席持ち込みor預け荷物として移動します。
その後フェリーに乗り替えてイギリスに入国することが可能なようです。
筆者が選んだ輸送オプションとその理由
私たちは以下の理由により①の直行便カーゴオプションを選びました。
- 費用面×
直行便でカーゴとして業者を通して運ぶことは費用面では最も高額になります。一方フランス経由の場合はレンタカー代やユーロトンネル(ル・シャトル)通行代、場合によってはペットホテル代が、オランダ経由の場合はフェリー代、場合によってはペットホテル代がかかります。 - 猫の負担面◎
直行便が主に時間の観点より本ニャンの負担は最も少ないと思われます。 - 手続きの煩雑さ○
予約や検疫の手続きを全て業者に任せられるので飼い主の負担は比較的少なく済みます。
業者選定
直行便で行くと決めたので、次は業者の選定を行いました。私たちは3業者から見積もりを取りました。
- A社
約45万円 ステップや必要な事項を見積もりの段階で教えてくれる
- B社
約45万円 契約後に詳細を伝える方針
- C社
約60万円 C社は金額が他社と比べて大幅に高かったため対象外とし、見積もりの段階でこちらが気になっていた情報や書類サンプルを提示してくれたA社に決めました。
コロナ前は誰でも知っているような大手輸送業者もペット輸送を行っていたようですが、2023年は大手での取り扱いは見つけることができず、上記3社はいずれも中小の業者さんになります。
猫の海外引越し スケジュールの詳細図解
業者とのやり取りや必要なアクションをスケジュールでまとめています。下の説明と合わせて参考にしてみて下さい。
事前準備:ワクチンやマイクロチップ
- マイクロチップ 狂犬病ワクチンより前にマイクロチップ装着を済ませておく必要があります。
- 狂犬病ワクチン接種 1回は必須、日本に戻る予定があれば2回目も推奨とのことでしたので、私達は2回接種させました。1回目と2回目の接種の間には30日以上の間隔が必要です。2回目のワクチンあとに抗体検査をする必要があります。2回目のワクチン接種から抗体検査まで2週間開ける必要があります。
事前準備:ケージ、小物
- ケージ
必ず IATA(国際航空運送協会)の基準をクリアしているケージを使用します。
ケージのサイズはペットのサイズ(体長、体高など。体重ではないのでご注意ください)によって適切なサイズを選びます。 我が家の猫は4.5kg程度の雑種日本猫でおそらくL60サイズにフィットするものの、イギリスは世界一ケージに厳しい国と聞き、念のためL70サイズを購入しました。 なお、輸送費はケージサイズが上がるごとに数万円上がってしまいます泣 - ごはん皿
ケージに付属しているものを使用しました。 - 水飲み
業者指定の薄型の水飲みを購入しましたが、イギリスの検疫より「猫の体の作り上このタイプから水を飲むことは不可能」というお叱りコメントを受けました。だからと言って入国の検疫に支障があるわけではなかったものの、ほぼ丸一日水が飲めなかったのかと思うと申し訳なく思いました。 - マット
普段使っていたふわふわのマットをケージの中に入れておきました。しかし結局イギリスの検疫所ではがされ、代わりに新聞紙が敷かれていました。 - 精神安定剤
業者に飼い主の匂いのついたインナーを猫の精神安定のために入れるようにと強く勧められ、インナーをケージに入れました。効果のほどは不明です笑
事前準備:書類
- ToR (Transfer of Residence) イギリスでのToRの仕組みと説明 イギリスへの引越しをする際には、ToR(Transfer of Residence)という手続きが必要です。これは、イギリス税関に到着する前に行うもので、家財道具や個人の所有物をイギリスへ持ち込む際の関税や税金の免除を受けるための手続きです。
- 狂犬病ワクチン接種証明 英語のフォーマットを業者から受け取り、獣医師に狂犬病ワクチンを接種したサインをもらいました。
- 狂犬病ワクチン抗体証明 一般財団法人生物科学安全研究所という機関に英語のワクチン抗体証明書を依頼します。 2回目のワクチンの2週間後以降に動物病院で採血をし、上記研究所へ抗体検査と証明書の依頼を出してもらいます。 なお、動物病院から依頼してもらう前に飼い主は研究所に手数料を振込み、振込証明を動物病院から送ってもらう必要があります。2023年現在13,000円でした。
猫様お引越し当日
この記事では猫様の東京→ロンドンお引越し当日の様子をお伝えします。
- 自宅引き取り 羽田から夜の便に搭乗予定だったため、都内自宅に昼頃に業者にお迎えに来てもらいました 。
- 羽田へ搬入→検疫 搬送中はずっと鳴いていましたという報告を受け、在宅勤務中でしたが不安マックスに・・・。検疫後の動画を送ってもらい、不安な表情を浮かべているものの元気そうにしている猫様の様子を確認でき一旦安心しました。
- いざフライト! フライト中の様子は分からないものの、約14時間もどこだかわからない空間に閉じ込められ、さぞストレスフルな時間だっただろう・・・引越しにつき合わせてごめんという思いで到着を待ちます。
- イギリス到着 先に渡英している家族のもとに到着の連絡が現地の業者から入ります。ここから検疫を行うので、お迎えは昼頃に来てくれとのこと(電話があったのが朝の8時頃)。電話は英語になります。このときに便名とAWB番号(Air Waybill)を用意しておくとスムーズです。検疫所でも聞かれることがあります。
- 検疫〜帰宅 イギリスでの受取場所は、ヒースロー空港近くのHeathrow Animal Reception Centerという場所になります。近くと言ってもヒースロー空港からバスで10分+バス停から歩いて5分ほどかかります。当日はパスポート持参し、便名、AWB番号のメモをスマホに入れておくと良いです。検疫所でパスポートを見せて、便名とペットの名前を伝えます。待つこと30分、無事対面!このとき水のノズルが犬用で、猫には使ってはいけないこと・ケージの柵の幅が広すぎるので猫には向いていないと注意されました。(でもIATA標準のケージ使ってるのに・・・)ひとまず注意を受けたこと、日本に戻るときは改善することを同意する署名をして受取完了です。帰宅はBoltでペットタクシーを呼んで家まで戻りました。
Heathrow Animal Reception Centreの外観
Google MapでみたHeathrow Animal Centerの場所(赤ピン位置)
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